弁護士(大阪) 菅 聡一郎
本年度は、上げ下げロール網戸(本件製品)のループを形成する操作コード(ボールチェーン)が当時6歳の女児Aの首に絡まって同女が縊死したという事故(本件事故)について、製造物責任の有無等が争われた大阪地判令和4年11月17日〔1〕を紹介する。
1 事案の概要
本件製品は、被告Y2が製造(令和元年9月に販売・引渡)し、被告Y1が原告X1との間のリフォーム工事請負契約等に基づきXら宅に設置されたものであったところ、本件本訴では、Aの父母X1X2及び兄X3が、本件製品の製造業者であるY2に対しては、製造物責任法3条に基づき、工事請負業者Y1に対しては、民法715条1項又は民法709条に基づき、Aの逸失利益及び死亡慰謝料、Xらの固有の慰謝料、葬儀関係費用並びに弁護士費用として、合計8037万円余の損害賠償請求を行った。本判決は、本件製品の欠陥の存在を否定し、この点のXらの請求を棄却した。
なお、本件反訴として、Y1がX1に対し、上記リフォーム工事請負契約及び売買契約に基づき、請負残代金及び売買代金合計1947万円余の請求を行い、X1は上記各契約をクーリング・オフにより解除した旨・・・
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