国産を 食べるよろこびを これからも。

全国農業協同組合連合会(JA全農)広報・調査部 広報企画課長 三谷洋美

 世界的な人口増加、さらにロシアのウクライナ侵攻などにより、世界的に食料の安全保障が大きな課題となっています。日本においても輸入品の値上がりはもちろん、日本国内で生産されている農畜産物についても大幅なコスト上昇に見舞われています。

 農産物の生産に不可欠な肥料は、原料の大部分を輸入品に頼っています。特に中国、ロシア、ベラルーシ等が肥料原料の主要輸出国ですが、昨今の世界情勢によって肥料原料の需給が逼迫し、史上最高値のレベルまで大幅に上昇しています。また、飼料についても同様に国際相場が歴史的なレベルまで高騰しています。農林水産省が発表している農業物価指数では、右下のグラフのとおり、2022年の生産資材の指数は116.6と2年間で資材価格が16.6%値上がったことを示しており、統計が残る1951年以降で最も高く、特に肥料と飼料が資材価格全体の指数を押し上げています。一方で、農産物価格の指数は101.4、その中でも米が80となるなど、生産コストの価格転嫁が行われていないことが読み取れます。農業の法人経営の団体である(公社)日本農業・・・

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