マルチ商法に対する法整備の考え方

弁護士(神奈川) 石戸谷 豊

1 異常な状態にピリオドを!

 日本のマルチ商法被害は、1970年代から延々と続いている悪徳商法である。当初から、被害者の自殺もなくならない。こうした状態は、あまりにも異常だ。もう、マルチ商法被害を止めなければいけない。法整備の在り方の検討も進展しており、その機は熟している。以下、法整備の方向である。

2 開業規制の導入で足並みは揃った

 悪質業者による被害防止のため、悪質業者を参入させないために登録制を導入すべきということは、かねてから圓山茂夫元教授が提案していた(最近のものとして、「特定商取引法の課題と改正イメージ」本誌135号37頁)。

 被害防止策を練り上げてきた日本司法書士会連合会も、登録制を提言するに至った(山田茂樹「日司連意見書『マルチ取引の在り方に関する提言(R4年版)』を発出」本誌135号40頁)。

 そして、日本弁護士連合会も、開業規制(登録制、確認制度など)の導入を検討していたところ(道尻豊「近時のマルチ取引被害と法規制について」本誌132号99頁)、2022年7月14日付で導入の意見書を取りまとめて公表した(本誌134号62頁)。

 登録制などの開業規制を・・・

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