消費生活相談におけるトラブル事例から(50)

国民生活センター広報部 坂東俊秀

「愛してるから投資して」っておかしくない!?─マッチングアプリ等で知り合った人に騙されないために─

 「婚活実態調査2022」1によれば、2021年の婚姻者のうち、婚活サービス(結婚相談所、ネット系婚活サービス、婚活パーティー・イベント)を通じて結婚した人は15.1%で、そのうち約6割の人がマッチングアプリ等のネット系婚活サービスを利用しているという結果となっており、マッチングアプリ等は真剣な出会いの場として存在感を高めている。

 一方で、中には悪意をもった利用者が紛れ込んでおり、消費生活センターにはマッチングアプリ等で知り合った人から暗号資産やFX等の投資を勧められ、送金したところ、相手と連絡が取れなくなるといった相談が多く寄せられており、こうした場合、お金を取り戻すのは極めて困難となっている。

相談事例

 マッチングアプリで日本在住のワイン輸入業者の役員というイギリス人男性と知り合い、無料メッセージアプリで連絡を取るようになった。やり取り開始時から男性は私のことを「妻」と呼び、「結婚後に悠々自適な生活を送るために二人で資金を出しあって投資をしよう」と言われた。暗号・・・

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