フードテック
─進む細胞培養肉の実用化─

市民バイオテクノロジー情報室代表 天笠啓祐

培養肉で日米に新たな動き

 日本ではフードテック官民協議会が、昨年10月に「フードテック推進ビジョン案」と「ロードマップ案」をまとめ、11月にはパブリックコメントを求めました。それを受けた形で3月には正式に推進ビジョンとロードマップがまとめられ、5月には正式な計画となる予定です。本格的にフードテック推進に向けて、政府が動き出したといえます。この協議会は、農水省がフードテックを推進する企業を集め、そこが中心になって作成したものです。現在、フードテックの中心は代替肉、昆虫食、細胞培養肉ですが、その実用化に向けて、官民が一体となって進める姿勢を示したものといえます。

 この計画案では、民間企業が中心になって研究や開発を進め、これに業界団体や研究機関が支援する形となっています。政府では農水省が軸になり、経産省、厚労省、消費者庁が絡んで推進の支援、表示や規制をどうするかを決めていく計画です。政府は「食料安全保障」の中心にこのフードテックを位置づけており、農水省は「みどりの食料システム戦略」の中でフードテック推進を掲げており、今後、積極的に企業を支援していくことに・・・

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