問題広告、長期分割債務整理、非弁提携問題について

弁護士(大阪) 加納雄二

1 過去の記事の反響がない。

 私は、最近の法ニュースではほぼずっとこの件について書いている。全然反響がないが、それでも私はこの1か月位の間に被害事例を2件見た。

2 具体的被害の紹介。消費者契約法の不実告知だが、ただの詐欺。

 ある消費生活相談員の方が受けた債務整理の相談事例は、借入れ20万円2口をそれぞれ60回払いにするというものだった。

 20万円を普通にサラ金等から借り入れ、利息を払ったうえで60回払いにすると、法定利息18%、60回(5年間)で支払い利息は10万5000円程度。

 これを問題弁護士に債務整理として依頼し、20万円の元本のみを60回分割弁済にしたとする。債権者に対する支払いは元本のみであり、利息の支払いが免除されたということで一見得したように見える。しかし弁護士に払う着手金を2万2000円、代行手数料を1回につき1100円とすると支払回数が60回であるので、1100×60=6万6000円となり、弁護士に払う金額は合計8万8000円となる。

 サラ金等から借り入れて返済した場合との差額は、1万7000円程度。金利が弁護士に支払う費用にすり替わっただけで、5年もか・・・

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