学習教材の訪問販売に関するクレジット契約につき、クーリング・オフが認められた事案のご報告

弁護士(愛知) 山田英典

1 はじめに

 学習教材の訪問販売に関するクレジット契約について、クーリング・オフが認められた事案を報告いたします。

 本件は、ウイン教育センターという学習教材を販売する訪問販売業者が被害者宅を訪問し、「毎日FAX指導がある」と勧誘したため、被害者は3年分の学習教材を個別クレジット契約により購入しました(ただし、契約書にはFAX指導という役務提供の記載はなし)。なお、分割手数料込みで総額約100万円程度の契約です。

 このとき、販売会社の従業員は、被害者に対し、「信販会社から連絡があったら、絶対にFAX指導があることを言わないようにしてください」と指示をしており、被害者は、この指示に従って、信販会社から連絡があったときには、FAX指導があったことを言いませんでした。

 契約をしてから半年ほどの間、ウイン教育センターはFAX指導を行っていましたが、突然FAX指導がなくなりました。被害者はウイン教育センターに電話もしましたが、電話がつながらなかったため、消費生活センターに相談したところ、書面不備を理由にクーリング・オフをしたらどうかと助言されたため、信販会社に対しクーリング・オフを・・・

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