第32回大阪いちょうの会定期総会
住み続ける権利を確保する借地借家法の改正を求める決議

 今、業者からの地上げ訴訟が多発しており、少なくない事案で、裁判所で借家人が低額の立退料で住居を失う和解あるいは判決で退去を余儀なくされている。

 立退を求める側は、古い木造建物で耐震基準を満たしていない、耐震診断で倒壊の可能性がある、開発予定であるなどの主張をし、これに対して、裁判所の中には、安易に正当事由を認めて、低額の立退料の支払と引換えに明渡請求を認容するものも見受けられる。

 旧借家法(大正10年4月8日法律第50号、最終改正昭和41年5月30日法律第93号)の1条の2は「建物ノ賃貸人ハ自ラ使用スルコトヲ必要トスル場合其ノ他正当ノ事由アル場合ニ非サレハ賃貸借ノ更新ヲ拒ミ又ハ解約ノ申入ヲ為スコトヲ得ス」として、貸主が自ら建物を使用する必要性があるときなど正当事由がある場合でなければ更新拒絶や解約申入れをすることができないとして、借家人の住み続ける権利を保護した。

 平成3年に借地借家法が制定され、正当事由制度は、建物の賃貸人による更新拒絶や解約の申入れは、「建物の賃貸人及び賃借人(…)が建物の使用を必要とする事情のほか、従前の経過、建物の利用状況、建物の現況、並びに立退料の申出を考慮して、正・・・

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