暗号資産交換業者の破綻

弁護士(大阪) 岡田 崇

Q

 世界有数の仮想通貨交換業者FTXトレーディング(FTX)が破綻しましたが、FTXに暗号資産や日本円を預託していた日本居住者は保護されるのでしょうか。教えてください。

A

1 FTXは2022年11月11日に連邦破産法11条(チャプターイレブン)の適用を申請しました。FTXの子会社として日本法人FTXジャパンがあり、FTXのシステムの機能が停止しているため、顧客資産の返還ができない状態となっています。

2 2014年に日本に会社があったマウントゴックス社は世界最大級のビットコイン交換業者でしたが、サーバーが何者かによってハッキングされ、ビットコインと預かり金が大量流出したことから破産しました。

 このことから、資金決済法・犯罪収益移転防止法等が改正され、2017年4月に改正法が施行されました。改正法では、仮想通貨交換業者は登録制となり、本人確認と共に一定の制度的枠組み(最低資本金、顧客に対する情報提供、分別管理、システムの安全管理)が義務づけられました。

3 改正法施行後、日本では仮想通貨の市場が拡大してきましたが、仮想通貨交換業者に対する不正アクセスによる仮想通貨の流出事・・・

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