ウルグアイにおける消費者保護と電話勧誘規制
─包括的な消費者法とDo-Not-Call制度─

弁護士(大阪) 薬袋真司

1 はじめに

 ウルグアイ(正式名称「ウルグアイ東方共和国」)は、ブラジルとアルゼンチンとの間に位置する国土17.6万㎢(日本の約半分)、人口約350万人(日本の1/36)の共和制(大統領制)の国である。同国は、2022年4月30日に、Do-Not-Call制度(電話勧誘拒否登録制度、“Registro Nacional No LLame”)を導入し、その運用を開始した1。ラテンアメリカ諸国では、すでに、メキシコ(2007年)、ペルー(2009年)2、アルゼンチン(2015年)、パラグアイ(2018年)がDo-Not-Call制度を導入しており、ウルグアイは、この地域で国レベルにおいて拒否登録制度を導入した5番目の国と思われる3

 本稿では、あまり知られていないウルグアイの包括的な消費者法の概要を紹介するとともに、新たに導入された同国のDo-Not-Call制度を紹介したい。

2 消費関係(消費者保護)法

 同国には、2000年に制定された法律17250号(消費関係〔消費者保護〕法、Ley N°17250〔Ley de Relaciones de Consumo. Defensa del Con・・・

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