お骨を回収できなければ、はかない(墓無い)問題に

弁護士(大阪) 加納雄二

1 札幌市東区の納骨堂「御霊堂元町」を運営する宗教法人「白鳳寺」が約3億円の借金を抱え事実上経営破綻したとのこと。納骨堂に鍵をかけたまま代表者が行方不明になっており、利用者が遺骨を引き取れない状況が続いており、札幌弁護士会が法律に関する説明会をする騒ぎになっている。

2 建物は4階建てで、1階には葬儀場、2階には納骨堂がある。デザインや、エレベーターが完備されており、遺骨を骨壺のまま合同スペースに納骨するタイプがあることから、幅広い年代に人気で、平成24年に開堂してから770人の檀家が利用していた。納骨堂にはいくつか種類があって、1体分の遺骨が納められる30万円のロッカー式から、9体分の遺骨を収容できる250万円の豪華なロッカー式など、6種類の納骨堂がある。

3 土地と建物は競売され、落札した札幌の不動産会社は利用者にお骨の引取りを要求していて、建物の引渡し(お骨の撤去を)申し立てたが、それは取り下げたとのこと。

 しかし、事業を監督する札幌市の秋元市長は、記者会見で、「宗教法人以外は経営できない」と特例を認めませんでした。民間企業が納骨堂の経営に関与することは市の条例や墓地・・・

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