食品表示─なぜこう書くのか?─(9)
マグロ切り落としは生鮮食品か?

上級食品表示診断士・行政書士 大矢安昌

 あるスーパーでは、マグロの切り落としを比較的安く売っている。この切り落としで漬け丼にすると簡単で美味しい。さて、このマグロの切り落とし、お店によっても異なるだろうが、インストア加工かどうかは別にして、生鮮食品か、加工食品か、表示を見て迷うことはないだろうか。このような食品は必ずパッケージの裏を見ていただきたい。裏面は良く見落とすので要注意である。

 例えば、容器包装の裏側をよく見ると「目鉢まぐろ切り落とし(解凍・生食用)●原材料名:メバチマグロ(台湾)、精製魚油、食塩/PH調整剤、酸化防止剤(V.C、V.E)……」「本マグロ切落とし(解凍・刺身用)原材料名:本鮪(養殖)(マルタ、スペイン)、植物油脂/pH調整剤、酸化防止剤(ローズマリー抽出物、V.C)」と書かれているものがあった。

 さて、この刺身用のマグロ切り落としは生鮮食品か、加工食品か、どう判別すればよいのかである。見た目は、刺身と異ならない。外見はだれがみても生鮮食品と捉える。しかし、油の塗布、撒塩、添加物の使用が、生鮮食品にどのような影響を及ぼしているかによって、加工食品化となることは、理解して・・・

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