一部勝訴した機能性表示食品検証資料の情報公開請求訴訟
─非公開理由の不当性を訴え、控訴へ─

原告 佐野真理子

一部勝訴だが いっそうの公開求め控訴へ

 2022年10月4日、東京地裁は、機能性表示食品事後検証資料の情報公開請求訴訟について私たち原告側の主張を一部認め、消費者庁が非公開にしてきた事後検証資料を公開するよう同庁に命じる判決を出した。私たちは「一部勝訴判決」と位置付けた。「一部の勝訴」としたのは、公開を命じたもののそれは資料の一部であり、消費者に知らせるべき必要箇所の全面公開を求めてきた私たちの請求とは依然かけ離れているためである。しかも、非公開にする理由については消費者庁の主張を認めた内容となっている。私たちは10月17日、同判決には不服があるとして東京高裁に控訴した。

判決まで4年半 機能性表示食品制度の課題も提起

 第一審の提訴は2018年2月、結審は22年6月、判決は22年10月――。提訴から判決まで4年半。コロナ禍での非公開進行協議や、原告・被告・裁判所との三者間電話会議を除いても、公開弁論回数は17回にも及んだ。提訴にあたっては一騎当千の3弁護士に、まさに手弁当で駆けつけていただいた。その三人、神山美智子弁護士、中下裕子弁護士、中村晶子弁護士は、それぞれ、食品問題、・・・

この記事は会員に限定されています。ログインしてください。
会員になるには「会員に申し込む」をクリックしてください。