定額リフォームに関する問題点

一級建築士 木津田秀雄

 定額で新築同様の見栄えのリフォームを行うことを大々的に宣伝している施工会社があるが、その会社とトラブルになったと消費者側から相談を受けたことがある。通常のリフォーム工事では、依頼者の希望を聞きながら建物の調査を行い改修範囲や仕様を決めて、設計図面を作成した上で見積書を作成するという流れになる。契約後工事に入れば、工事内容の変更や追加、予期せぬ劣化部位の補修などにより追加費用が生じることもある。

 それに対して、この会社は部屋の大きさによって決められた仕様で施工することを前提にパック金額を決めており、事前調査で劣化部分の改修も含めた金額をフィックスすることで、追加費用が一切生じないシステムとなっている。そのため、予期せぬシロアリ被害などが見つかっても追加費用は一切不要としている。

 相談者は、契約後に仕様の変更や照明器具追加のオプション工事を持ちかけられ、それに応じると、工事完了後に多額の追加費用を請求されたとのことであった。仕様変更の際に選定したものによって追加費用が生じることは告げられず、オプション工事についても金額の提示がなかったため、適正な金額を支払うつもりはあった・・・

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