編著者:野村吉太郎
発 行:作品社
価 格:3,900円(税別)
「福島県中通り訴訟の最高裁令和4年3月7日決定」により、同事件の慰謝料請求の権利を認める判決が確定した(消費者法ニュース132号2022年7月号156頁)。
福島県中通りは、福島第一原発から約60キロメートル離れた地域。中通りの住民も放出された放射性物質による健康被害があるのではないか、という恐怖に突き落とされた。しかし、「心の損害」を裁判に持ち込み、損害賠償請求することは容易ではない。政府は、原発事故による放射能で死んだ人はいない、ただちに不安に陥る必要はないと呼びかけていた。東電は東電が認める損害を超えて、被害者が損害賠償請求する法的権利も保護すべき利益もない、と主張した。
東電の主張を、どう打ち破ったのか。原告52人はどのように抵抗し、闘ったのか。本書の陳述書に書かれた52通りのドラマに綴られている。本書により、原告らに「心の損害」をもたらした原発事故、人間の五感では感じることができない放射線の怖さを理解してもらいたい。(あとがきから)
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