生活保護における就学目的の世帯分離と解除について

弁護士(熊本) 髙木百合香

1 世帯単位の原則と、その例外の「世帯分離」

 わが国の生活保護制度では、保護の単位として、生活保護法(以下「法」といいます)10条本文が「保護は、世帯を単位としてその要否および程度を定めるものとする」と定め、「世帯単位の原則」が採用されています。この世帯単位の原則は、生活困窮という事象が世帯を単位に起きる点に着目したものです。

 もっとも法は、「但し、これによりがたいときは、個人を単位として定めることができる」(法10条但書)として、例外も規定しています。これは、世帯を単位としては最低生活の保障に欠けるとか、被保護者の自立を損なうと認められる場合に世帯から切り離すことを認めるもので、「世帯分離」と呼ばれています。

2 世帯分離の類型と要保護要件

 この世帯分離は、厚生省社会局長通知(以下、「局長通知」といいます)により具体化されており、吉永純教授(花園大学社会福祉学部)は次のように整理しています。

 これらの世帯分離の類型の中には、「世帯分離を行わないとすれば、その世帯が要保護世帯となる場合に限る」という要件(以下「要保護要件」と言います)を課し、それが満たされる場合に世帯分・・・

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