「統計不正隠ぺい裁判」はどこまで続く?
─物価偽装をただす─(第14回)

フリーライター 白井康彦

 2022年10月19日、横浜地裁で原告勝訴の判決が出ました。いのちのとりで裁判の地裁の勝敗は、原告側から見て4勝9敗になりました。原告側が勝ちにくい行政訴訟では素晴らしい好成績です。ただし、横浜地裁の勝訴判決では、被告側をノックアウト寸前まで追い込むことはできませんでした。厚生労働省の物価偽装の核心部分のカラクリを判決文が指摘しなかったためです。被告側が裁判続行をあきらめなければならない時期になりましたが、被告側はあきらめず控訴。泥沼の裁判闘争はまだまだ続きます。

 被告側はなぜあきらめるべきなのか。物価偽装の事実が明確化してきたからです。厚労省は2013年生活扶助基準改定のデフレ調整(物価スライド)で「生活扶助相当CPI」という独自の消費者物価指数(CPI)を指標とし、生活扶助相当CPIが2008年〜2011年の期間に4.78%下落したと説明しました。原告勝訴の判決を下した大阪、熊本、東京、横浜の4地裁の裁判官はこの「4.78%」の下落率がおかしいと判断しました。裁判官は、実質的に物価偽装の事実を認めているわけです。

 物価指数の論点では、4地裁の判決文で四つの共通見・・・

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