消費者法分野におけるルール形成の在り方等検討ワーキング・グループ中間取りまとめについて

内閣府消費者委員会事務局参事官補佐 森貞涼介

1 はじめに

 消費者法分野におけるルール形成の在り方等検討ワーキング・グループ(本WG)は、第五次消費者委員会にて発足し、令和元年6月報告書では、消費者法分野におけるルール形成において、自主規制、民事ルール、行政規制が被害の予防・救済という目的からベストミックスされることの重要性等を提言した。

 近年、消費者取引の国際化や急速なデジタル化の進展の下、消費者被害はこれまで以上に複雑化・多様化している。悪質商法への対応については、消費者庁の研究会等や、消費者委員会の専門調査会において検討が行われ、幾つかの法改正が実現し、運用されている。しかし、それでもなお悪質商法による大規模な消費者被害は発生しており、一度発生した被害を十分に回復することは難しい。

 本WGは、上記令和元年6月報告書で示された観点の中でも、自主的取組みや民事ルールでは対応しきれない悪質商法に関して、実効的な法整備や違法収益の剥奪、財産保全等の制度について検討するため、令和4年3月29日から再開された。本稿では、同年8月に公表した中間取りまとめを紹介する。

2 経緯

 多数の消費者に被害を生じさせ・・・

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