宗教被害、宗教被害の周辺問題の現在

弁護士(愛知) 竹之内智哉

1 はじめに

 心が操作される被害は、宗教被害のほかに、宗教被害の周辺に位置する占い被害、開運商法被害などがあり、ほかにも自己啓発セミナーによる被害もあるので、宗教問題の周辺に位置する被害も紹介しておく。

 なお、本稿は宗教被害問題等について、比較的多い相談を紹介するものであり、すべてを網羅するものではないことをお断りしておく。

2 宗教問題

(1)旧統一協会

 旧統一協会の被害は、路上のアンケートなど正体を隠した勧誘からはじまる。

 献金の際は「先祖の因縁を開放しないと、あなた、あなたの家族、子孫も不幸になる」などと言われ多額の献金を行わせる。

 自宅のローンの支払いがあるからと献金をしぶっても「献金すれば、ローンを支払わなくても神様がなんとかしてくださいます」などと献金を強要され自宅を失った被害者もいる。

 大学生が入信し新卒の就職の機会を失う被害、壮婦が入信し離婚するなどの被害、二世の問題など、人生そのものに対して深刻な被害が生じている場合が多い。

 旧統一協会(世界平和統一家庭連合)による被害は、弁連の集計によれば1987年から2021年まで3万4537件の被害、被害額合計1237億・・・

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