カルト被害のカウンセリング

牧師(岐阜) 柳本伸良

 「破壊的カルトに入った身内を脱会させたい」「カルトから離れたいけど、親が信者で出られない」「組織を脱会してからも、教えが頭を離れない」……そんな相談が日々、救出支援者のもとに寄せられてきます。その中でも多くを占めるのは、身内を脱会させたい家族からの相談です。

 親や子どもが高額の献金をさせられたり、高額の品物を買わされたりした場合、金銭的回復については、全国霊感商法対策弁護士連絡会の弁護士が力になってくれます。しかし、基本的には、献金をさせられた本人のマインド・コントロールが解け、本人が被害を自覚しない限り、話を進めることは困難です。

 そこで、カルト問題に取り組む弁護士からも、日本基督教団の牧師やお寺の住職をはじめとする「救出(/脱会)カウンセラー」が相談者に紹介されます。しかし、多くの家族は、それらの専門家と繋がる前に、本人に対して説得したり、言い聞かせたりして、組織を離れさせようとします。

 けれども、カルトが原因の問題行動は、家族が説得したり、言い聞かせたりして、やめさせることはできません。むしろ、家族がやめさせようとすればするほど、組織の教えが働いて、家族を拒絶した・・・

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