宗教二世問題の解決に必要なもの

LETS仙台所長 松田彩絵

 私は宮城県仙台市にある「LETS仙台」という女性用民間シェルターの所長を務めている。現在は事情があってシェルターを一時閉鎖しているが、そこにはさまざまな困難を抱えた女性たちが相談や助けを求めてやってくる。私が元々困難を抱えたサバイバーだったこともあり、女性用シェルターを運営していたが、実はこの活動の興りは「宗教二世」にあった。LETS仙台の企画が持ち上がる前にたまたま出会ったサバイバーが宗教二世だったのだ。この宗教二世問題を放置することができず、女性支援を行いながら二世支援を細々と7年間続けてきた。

 2022年夏。旧統一協会の宗教二世が安倍元首相を銃撃した。それ以来、宗教二世への配慮や支援が大々的な問題となったが、まだまだ宗教二世の抱える過酷な家庭環境や心情についての世間の理解は追いついていない状況である。銃撃事件以前から宗教二世がSNSで声をあげ、2021年にはNHKで数本の宗教二世特集が組まれたものの、世間やマスコミはその声に積極的に関心を寄せることはなかった。それは「宗教には関わりたくない」という大多数の日本人の気持ちに起因するものである。日本人は往々にし・・・

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