統一協会と統一協会員の説明に、マインド・コントロールという言葉はもういらない

弁護士(札幌) 郷路征記

判断基準について

 最初に私が仕事をしている状況を考えてみます。

 法律相談をしている時には、相談者から事件の内容を、耳を通じて脳に取り入れます。提供される資料を見て、それを読んで目からその情報を取り入れます。


図1 意思決定過程の概念図

 その内容をノートにメモしたりすることによって、取り入れた脳の中の情報を整理したり、統合したりして把握します。把握をした事実に対して、裁判で勝てるかどうかの判断をします。そのときに私が用いるのが、関連する法律、判例、行政の先例等です。それらの知識が仕事に用いる私の判断基準となっています。

 私の判断基準は可変的です。例えば新しい判例などが出ますと、それを早速取り入れて、判断基準を新しくしなければなりません。商法などについて詳しくない私のような場合には、商事事件について、誤って民法の判断基準を適用してしまったりする場合があります。その対象に適合しない判断基準を用いてしまうと、誤った判断が行われ、誤った行動が選択されてしまいます。

 ここで図1を見て下さい(西田公昭『マインド・コントロールとは何か』紀伊國屋書店、1995年、58頁)。

 「ビリーフ(記憶構・・・

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