「社会を変えてきた弁護士の挑戦」出版にあたって

弁護士(仙台) 新里宏二

 私は、今年で弁護士40年、さらに古希を迎えました。私が消費者金融大手武富士から訴えられた、「武富士の闇を暴く訴訟」で、私を支えてくれた仙台の仲間から古希出版の話を頂き、弁護士の活動をまとめる機会に恵まれました。また、多くの皆さまからも一緒に活動したエピソード、あるいは身に余るご褒めの言葉も頂きました。

 私がこの本で一番訴えたかったことは、「被害者が声を上げることが社会を変える力であり、それを支援するのが弁護士の役割」だということです。クレサラ・商工ローン被害、優生保護法被害等、具体的事件から、そのことを語らせていただきました。

 そして、法律家が果たしている役割として、皆さんに「裁判(訴えの提起)による社会変革機能」を理解し、「司法の法創造機能をみんなで担っていこう」とのメッセージを送らせていただきたいと思います。商工ローン被害について、商工ローン大手2社は一部上場企業であり、テレビCMを多用していました。その影響かメディアは商工ローン被害を取り上げませんでした。商工ローン被害者が過払い金返還の集団提訴をすると、動かなかったメデイアが動き出し、商工ローン被害が社会問題・・・

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