(一社)全国消費者団体連絡会事務局長 浦郷由季
はじめに
本年1月に開催された消費者問題リレー報告会において、LPガス取引透明化問題に関し、全国消団連と地域の消費者団体との連携した運動の結果、一歩前進した事例について概要を紹介した。
家庭用LPガスについては「取引適正化ガイドライン」が策定されたが、賃貸集合住宅においては給湯器などの設備費をLPガス料金に上乗せするという商慣行があり、消費者への料金等の情報開示が不十分である。全国消団連では学習会やアンケート調査、意見書、要請書の提出などを行ってきたが、その結果、経済産業省から国土交通省への働き掛けがされ、2021年6月、両省からLPガスや不動産の関係団体に対し、賃貸集合住宅の契約締結前に消費者へLPガス料金の内訳等の情報提供することを要請する通知が出された。
このLPガス取引透明化問題に対する全国消団連の取組みについて報告する。
1 内訳が分からないLPガス料金
家庭で用いられるガスは大きく分けて都市ガスとLPガス(プロパンガス)があり、少し古いデータになるが2013年時点の普及率は都市ガス53%、LPガス44%となっており、日本の約4割の家庭でL・・・
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