外国人の人権・入管問題

弁護士(大阪) 中井雅人

1 「移民国家」日本の歪な在留資格状況

 在留資格別の在留外国人構成比円グラフ(2019年末時点・法務省入管)、「外国人雇用状況」の届出状況円グラフ(2019年10月末時点・厚労省)を示し、日本は既に「移民国家」であることを確認した。こうした統計からもさまざまな問題を指摘することができるが、特に注目するべきは2点ある。ひとつは、技能実習が構成比第2位(14%)となっていること、雇用状況でも約4分の1を占めていることである。国際的にも国内的にも多くの批判がされている「技能実習」になし崩し的に支えられ続けているのである。もうひとつは、「留学」が第3位(約12%)となっていること、雇用状況円グラフで約4分の1を占める「資格外活動」の人数と近接していることである。多数の「留学生」が「労働者」でもあることを示している(いわゆる「偽装留学生」も含まれるだろう)。

 新型コロナ後の在留資格別の在留外国人構成比円グラフ(2020年末時点)。技能実習生が減少しているとはいえ依然として第2位を保っていたこと、特定活動が激増していること等に注目するべきである。

2 日本の外国人労働者政策を貫く

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