食品の電子商取引(ECサイト)の「消費者にとって不利益表示」と見られる二つのパターンについて
─ホットライン調査活動で判明した思わぬ落とし穴とは─

食の安全・市民ホットライン事務局長 西原崇文

序論

 食の安全・市民ホットライン1事務局による各種の調査活動では、インターネット上において、どのような広告や表示手法を用いて、食品等が販売されるのか確認する作業も実施している。そのため、これらのネット上における調査活動の過程では、各種の食品を扱う電子商取引(「ECサイト」以下同様)2を閲覧、利用することもある。本稿では、これらのホットラインの調査活動の過程で、ホットライン事務局が気づいた、食品ECサイトにおいて、消費者にとって不利益とみられる表示手法について論じる。

定型フォームなき食品ECサイト内における一括表示

 ホットライン調査活動においては、ネット上における様々な食品の販売状況を検証するため、各食品ECサイト上に表記されている各食品の「一括表示」を確認することがある。これまで、ホットライン事務局では、様々な食品ECサイト上で確認できた調査対象の「一括表示」を閲覧してきた。そうすると、実際に販売されている食品の容器包装に記載されている「一括表示」とは異なる形式の表記があった。具体的な例の一つを紹介すると、通常、容器包装には書かれている、原材料と・・・

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