終活で勧誘された葬儀保険
─少額短期保険から─

特定非営利活動法消費者情報ネット(通称コネット)生損保研究会ぐるーぷ31 松尾保美

 出生率が下がる中、2021年9月総務省統計局の調べでは65歳以上が日本の総人口の29.1%(3640万人)になり、過去最多と発表されました。少子高齢化の状況において、シニア世代の中には周囲に迷惑をかけずに人生の終焉を迎えたいと考える人が増え、「終活」が広がりを見せています。終活の一環として、自分の葬儀費用の事前見積もりを取る人が増えています。

 その事前見積もりに際して「『葬儀費用は保険金で支払ったほうがスムーズにいく』『遺族に迷惑をかけない』などと葬儀事業者から葬儀保険の加入を勧められた」という声を聴くようになりました。コネットの調査・研究グループのひとつである葬祭研究会パラダイスが2007年から行っている葬儀事業者の実態調査で葬儀関連保険の存在を知っていましたが、当時は生命保険会社の死亡保険で勧める葬儀事業者は一部の互助会だけでした。ところが数年前から生命保険会社ではなく、「葬式保険」等の名称で少額短期保険会社の「死亡保険」を勧誘する葬儀事業者が増えてきたのです。その「葬儀保険」に類する保険は、最近、新聞・・・

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