水戸黄門漫遊マラソンへの申入れ

消費者被害防止ネットワーク東海検討委員 弁護士(愛知) 竹之内智哉

1 はじめに

 当法人は、水戸市などが主催する「水戸黄門漫遊マラソン」の規約について申入れを行いました。その結果、主催者から当法人の主張のとおりに規約を改定する旨の回答を得ましたので報告します。

2 申入れの内容

(1)問題のあった規約

 マラソン大会の規約には以下のような規約がありました。

① 過剰入金、重複入金の返金はできない。

② 地震、風水害、新型コロナウィルス感染症などを原因として開催が中止された場合、参加料はRUNPOで返還する(RUNPOはRUNNNET内で使用できる電子マネーであり、現金に換えることはできない)。

③ 大会開催中に参加者に傷病が発生した場合、主催者は応急手当を行うものの、主催者は損害賠償責任を負わない。

(2)申入れの理由

① 過剰入金・重複入金

 マラソン大会者の参加者が誤って参加料を過剰に入金することや、重複して入金してしまう可能性は否定できません。過剰入金・重複入金の場合、主催者は不当利得返還義務を負うことになりますが、返金できない旨の規約は不当利得返還請求権を制限するもので消費者契約法10条に違反するもので・・・

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