2022 消費者法ニュース夏期リレー報告
フードテック─代替肉を考える─

市民バイオテクノロジー情報室代表 天笠啓祐

代替肉とは?

 フードテックの3本柱は、代替肉、細胞培養肉、昆虫食です。今回はその中の代替肉について見ていきます。代替肉とは牛や豚、鶏などの動物の肉の代わりに、植物を用いるものです。代替たんぱく質という言い方をする場合もあります。日本では肉食が禁じられている寺などの精進料理で、大豆から食肉に近い食品を作る技術があり、長い歴史がありますが、肉食を基本にする欧米ではほとんど取り組まれてこなかった領域の食品です。

 日本でこれまでに比較的多く登場している代替肉は、大豆ハンバーガーなど大豆由来の食品が圧倒的に多いのが現実です。典型的な代替肉である、大塚食品の「ゼロミート・ソーセージタイプ」を一例として見てみます。食材、添加物は以下のとおりです。

 「分離大豆たんぱく(国内製造、アメリカ製造)、マーガリン、植物油脂、粒状大豆たんぱく、砂糖、酵母エキス、ぶどう糖、香辛料、食塩/加工デンプン、トレハロース、調味料(アミノ酸)、pH調整剤、グリシン、香料、香辛料抽出物、クチナシ色素、トマト色素(一部に大豆を含む)」

 これは典型的な代替肉です。食肉の代わりに大豆を用い、それを・・・

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