暗号資産 最近の詐欺被害事例

弁護士(愛知) 岩城善之

 最近、いわゆる国際ロマンス詐欺の被害事例の相談をよく受ける。受任する事件もあるが、被害回復の可能性が低いために受任に至らない相談も結構ある。

 多くの手口は、こういうものだ。SNSやマッチングアプリで知り合った登録者(「A」とする)からLINEに誘導され、LINE内で被害者に投資指南がされる。投資指南をするのは、Aであることもあるが、Aが師匠と呼んでいるBだったりする。また、100人を超えるLINEグループに追加されることもある。そういった場合、同じ勧誘を受けたという設定のCや、事務を担当するDなども出てきて、その者らと個別にLINEするようにもなる。

 中には、日本語が不自然な会話もある。おそらく日本人ではない詐欺グループが翻訳ソフトを使ってLINEの会話をしているからだろう。Aらがたまに被害者の名前を間違うこともある。同時並行で詐欺を行っているので、他の被害者の名前と混ざるのである。

 被害者のAらを信じている様子は、LINEを読んでいて本当に痛ましい。被害者は、Aらから投資資金の振込先を教えられる。指示される振込先の口座は、なぜか三井住友銀行であることが多い。私が振込・・・

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