暗号資産と、暗号資産「詐欺」について

弁護士(大阪) 山﨑敏彦

1 「暗号資産で儲けましょう」はすべて詐欺である。

 「暗号資産を買って儲けないか」「暗号資産取引で儲けるソフトを買わないか」などと、暗号資産で儲けましょう、という儲け話は、不法行為以外のなにものでもない。

2 暗号資産に対する批判

 暗号資産は、詐欺等の際に、支払手段として「犯人」から指示されて、騙し取られて、「犯人」がやすやすと利得を得て逃げおおせたり、その他悪用されて、各方面から批判されている。

 しかし、そもそも暗号資産は、通貨代用物として扱うことは不適切な代物(しろもの)である。なぜなら、短期間のうちに大きく価値が変動するからである。持っているうちに大きく減ってしまうのでは、通貨代用物としては使えない。

 あるいは、投機行為で儲かった暗号資産を支払いに使う、という場合を想定しても、さらに増える可能性のある暗号資産を、商品等購入のために使うのも、まだまだ投機に使える暗号資産を、商品購入などのために(ベストの時期ではないのに)無駄に減らすのだから不合理である。

3 投機物としての暗号資産

 投機物としての暗号資産は、「投資性」のない、「投機」そのものである、という点に特徴がある。・・・

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