弁護士(大阪) 上林惠理子
1 ウクライナと日本の難民受入れ
日本において、「難民」と聞いてもどこか遠い国の話だと思っていた人は多いのではないだろうか。しかし、ロシアのウクライナ侵攻を受け、日本政府はウクライナ避難民を受け入れることを表明、各自治体でも続々と受入れの準備をはじめ、急に「難民」が脚光を浴びることとなった。
しかし、この日本には、2022年よりずっとずっと前から、各国の「難民」が迫害を逃れて来日し、助けてほしいと日本の扉を叩いてきていた。
そんな「難民」に対し、私たち日本社会の対応は冷たかった。
2 来日した「難民」が受ける対応
あなたがある国の住民だったとしよう。その国で政権に反対するデモや集会に参加をしていたら、あなたの仲間たちが次々と拉致をされていく。あなたは命の危険を感じ、逃亡するため必死の思いで査証を申し込む。すると、たまたま日本の査証が早く出たため、来日を決意する。あなたは日本に来たこともなければ、日本語もわからない。なんとなく、世界大戦のあとに戦争をしたことがない平和な国であるというイメージを持っているだけだ。
長時間飛行機に乗って日本の空港にたどり着いたあなたはくたくただ・・・
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