（公社）日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会 消費生活相談員 北川住江
1 悪質な情報商材の購入事案
悪質な取引の被害に遭った相談を受付けた時、支払い方法が「クレジットカード決済」であることが確認できた時、一旦はホッとする。この取引について、交渉の余地が見込める気がするからだ。しかし、悪質な取引にクレジットカード決済が関わった際のカード会社の対応差は、顕著に存在する。まずは、近年よくある事例における対応差の実態を以下に挙げる。
① 事例
「誰でも簡単！1日5分で高額収入を得る方法」と謳われたインターネットの広告を見て、約1万円のマニュアル（情報商材）を購入した。マニュアルの内容に対して不安を覚えていたころ、事業者から直接電話があり、「サポート・返金保証付きの有料プランに申し込めば必ず稼げる」と、80万円の追加プランを勧められた。お金がないと躊躇するも、クレジットカードでの分割決済を指南され、断りきれずに契約をしてしまった。結局、マニュアルどおりにやってみても少しも儲からず、サポートも返金保証もはぐらかされてしまった。納得できない。
② センターの処理
センターからの助言により、相談・・・
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