食の安全・監視市民委員会顧問 神山美智子
私は、4月23日の総会において、食の安全・監視市民委員会代表を退任し、顧問という肩書になりました。そこで退任を記念して講演会を開くように言われ、「食の安全と消費者の権利─いつまで我慢すれば良いのか」と題して、これまでの私の考えてきたことをお話しました。テーマは以下のとおり。
1 知る権利・選択の権利の侵害─熊本県産アサリ問題で考える偽装表示
2 健康の権利・経済生活の権利の侵害─健康食品で病気は治らない
3 被害救済の権利の侵害─水俣病・森永ヒ素ミルク・カネミ油症
4 法律を知ろう─食品安全基本法・食品表示法など
本稿では、当日のテーマの中から、私が12人の弁護士と携わった「残留農薬基準取消請求事件」について紹介させてもらいます。
1992年11月27日に全国134名の原告で提訴しました。最終的には「原告らが食品衛生調査会の審査内容に不信と不安を抱いたことは理解できる。ただし社会通念上受任限度を超えていない」という控訴審敗訴判決でした。
しかし特筆すべきことは、1995年4月15日、東京高裁が住友化学にフェニトロチオン(スミチオン)の毒性データにつき、文書提出・・・
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