欠陥住宅紛争の基礎知識(58)
─欠陥住宅の調査(3)─

弁護士(東京) 河合敏男

(7)簡にして要を得た報告書

 報告書はボリュームがあればよいというものではない。沢山の事件を抱えている裁判官は一つの事件に多くの時間をかけることはできない。従って冗長な説明や膨大な資料添付は避けるべきである。報告書は、一種のプレゼンテーションであると心得て、簡にして要を得た説明文、写真や絵図面の活用などの工夫をして一目で理解できるような報告書が望ましい。

(8)相手の人格攻撃をしない

 欠陥住宅訴訟は、建物の瑕疵を客観的に指摘して、住宅取得者の損害を回復させることが目的である。欠陥住宅を正すのであって、欠陥住宅業者を正すのが目的ではない。酷い欠陥住宅に出会うと、どうしても施工者の倫理観欠如や悪性を指摘したい衝動にかられる。特に依頼者は、刑事告訴したい、社会的制裁を加えたいと言って、相手を強く非難する報告書を求めてくることもある。しかし、互いに人格攻撃をしても有害無益であることが多いから、感情は抑えて淡々と客観的な瑕疵の指摘をする報告書とすべきである。また、ここに至るまでの施工者の数々の不誠実な対応を細かに指摘する必要はない(これも依頼者は強調したがるところであるが)。欠・・・

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