消費者被害防止ネットワーク東海検討委員 弁護士(愛知) 西口 誠
1 要請の経緯
株式会社ベストブライダルサービスという結婚相手紹介サービス事業者の約款に問題があるという情報提供を受け、改善を求めて申入れをしたところ、同社は、結婚相談所の業界団体が作成している規約の雛形どおりに定めただけであるという理由で、これを拒否しました。
本来、事業者が業界団体等が作成している規約の雛形どおりに条項を定めたとしても、そのことだけで、当該条項が適法ということにはなりません。業界団体等の雛形の条項がそもそも違法なものだった場合、そのとおりに定めた条項も、やはり違法です。
もっとも、業界団体等の雛形の条項が違法だった場合、当該業界団体の雛形を利用している事業者は皆同様の条項を用いているわけですから、個別の事業者に改善の申入れをしても、狙い撃ちをされたと受け止められかねません。
そこで、業界団体である良縁会と日本仲人連盟に対して、規約の雛形の条項を改定してもらえるように要請することにしました。
2 改定を要請した条項
改定を要請したのは、以下の条項です。
(1)交際相手とのトラブルにつき、事業者が一切責任を負わない旨の条・・・
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