消費者裁判手続特例法の改正

弁護士(東京) 鈴木敦士

1 令和4年改正法による改正点は、①対象となる損害を一定の慰謝料への拡大(3条2項6号)、②被告について事業監督者、被用者への拡大(3条3項3号)、③対象消費者の情報について保全する制度(9条)、④和解の柔軟化(11条、15条2項、3項、89条2項)、⑤簡易確定手続開始の申立期間の延長(16条1項)、柔軟化(16条2項)、⑥特定適格団体による通知事項の簡略化(27条2項)、⑦相手方の通知義務(28条)、⑧簡易確定手続の記録の閲覧の制限(53条、54条)⑨共通義務確認の訴えの取下げ等及び簡易確定手続の申立ての取下げ等の場合の時効の特則(68条)⑩特定認定の際の提出書類の合理化(72条2項7号)⑪特定認定の有効期間の伸長(75条4項)⑫特定適格消費者団体と適格消費者団体の連携協力規定(81条42項)、⑬簡易確定手続の通知公告についての行政機関の公表義務(95条1項)⑭消費者団体訴訟等支援法人制度(98条以下)がある。すべてについて触れる紙面はないので、①、②、④、⑥について触れる。

2 対象事案の慰謝料への拡大は、「額の算定の基礎となる主要な事実関係が相当多数の消費者につ・・・

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