新電力、電気代4倍に……経営者「廃業しかない」燃料価格高騰背景、切り替え先見つからず

 新電力と契約する福井県嶺北地方の繊維関連企業の50代社長が福井新聞の取材に応じ、電気料金高騰の実態を語った。燃料価格高騰を背景に昨秋以降急激に上昇し、割安だった昨春の電気料金に比べて今年1月分は約4倍に。「早く解約しなければ」と他の新電力や北陸電力への法人契約切り替えを探したが、どこも受け付け停止で、切り替え先が見つからない。「ぎりぎりの経営を続けてきたが、高騰が続くと廃業しかない」と訴える。

 会社は家族経営で、繊維商社から糸を預かり受託加工する仕事だ。電力契約を北陸電力から新電力に切り替えたのは2020年10月。東証1部上場のグループ会社と「市場連動型」料金プランで1年契約した。「『北陸電力よりも安くなりますから』と言われて。内容に不安もあったが、新型コロナウイルス禍で経営が厳しい中、少しでも負担が減るなら、と思った」

 市場連動型は、卸電力取引所の市場価格に連動して従量料金の単価が決まる。昨冬は電力需給で卸電力市場価格が高騰したが、「新電力側が『契約したばかりなので』と安い料金に抑えてくれて安心していた」という。昨年4月分も割安の8万円台に落ち着いていた。

 だが契約が自動更新された後、突然・・・

この記事は会員に限定されています。ログインしてください。
会員になるには「会員に申し込む」をクリックしてください。