特商法施行5年後見直しに向けて

一般社団法人全国消費者団体連絡会 政策担当 大出友記子

消費者被害の現状

 令和3年度の消費者白書(消費者庁)によると、全国の消費生活センター等に寄せられた消費生活相談の件数は、90万件強の高水準で横ばい状態が続いています。コロナ禍により「通信販売」での相談件数の増加や、65歳以上の高齢者をみると、「訪問販売」「電話勧誘販売」の割合が高いなどの特徴も挙げられています。また、20歳代では「マルチ取引」の割合が、他の年齢層に比べて高くなっています。

前回改正時の課題

 2016年の特商法改正では、法改正の要望がされていた訪問販売や電話勧誘販売に関する不招請勧誘規制の導入などが見送られました。附帯決議には、高齢者等に対する訪問販売及び電話勧誘販売による被害の未然防止が喫緊の課題であるとの記載もされました。

 全国消団連では、2015年3月に実施した消費者契約に関する意識調査の中で、不招請勧誘に関して質問しました。自分から要請した訳ではないのに、訪問や電話によって勧誘されることについては、「迷惑と感じる」が96.3%(1540名/1617名中)、「役に立つと思う」が0.9%で回答され、ほとんどの人が迷惑と感じて・・・

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