弁護士(宮崎) 塩地陽介
1 抜本的見直しと法改正を!
令和3年版消費者白書によると、全国の消費生活相談件数93.4万件のうち56%が特商法対象の取引分野に関する相談が占めており、改正後も特商法対象分野でのトラブルが高い割合で発生している。
中でも認知症等高齢者の消費生活相談に占める訪問販売及び電話勧誘販売の割合は50.9%と圧倒的多数である。
また、インターネット通販に関する相談が増加しており、販売購入形態別の割合では全体の29.5%を占め最多となっている。
そして、マルチ取引に関する相談は、他の年代では概ね1%未満であるのに対し20歳代においては5.5%と高い比率を占めている。
このように、平成28年改正後も特商法対象取引に関するトラブルは引き続き生じており、対策の必要性は高まっている。
特商法平成28年改正法附則第6条はいわゆる5年後見直し規定を設けており、今回の5年後見直しを契機に特商法の抜本的な見直しを行い、以下の内容を含む実効的な法改正が実現されるべきである。
2 訪問販売・電話勧誘販売について
(1)消費者があらかじめ拒絶する権利の確保
平成28年改正時にも、日弁連や各地の消費者団体等により・・・
この記事は会員に限定されています。ログインしてください。
会員になるには「会員に申し込む」をクリックしてください。