アフィリエイト広告に対する景表法の対策と特商法の課題
─アフィリエイト広告に関する検討会報告書を踏まえて─

弁護士(埼玉) 池本誠司

1 アフィリエイト広告の仕組みと現状

 消費者庁「アフィリエイト広告に関する検討会」は2022年2月15日付報告書において、アフィリエイト広告の仕組みと現状を詳細に分析し、景品表示法による対策を提言した。まずは、報告書からアフィリエイト広告の仕組みと現状の要点を紹介しよう。

 アフィリエイト広告とは、広告主がアフィリエイトサービスプロバイダー(ASP)を通じてアフィリエイターに広告の掲出を委託し、販売高やクリック数等に応じて成果報酬を支払う仕組みのインターネット上の広告システムである。

 広告主は、成果報酬の後払い方式により広告費の初期投資を最小限に抑えて広告宣伝を展開できる。ASPは、アフィリエイターの募集・契約締結、広告の指導・管理、成果の把握・報酬の清算等を行う。ASPは100社程度存在すると言われているが、業界団体としては、日本アフィリエイト・サービス協会(大手ASP6社によって構成)と日本アフィリエイト協議会(広告主62名(36社)、ASP&代理店72名(12社)、アフィリエイター301名によって構成)があり、ASPの参加率は2割以下である。

 アフィリエイタ・・・

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