弁護士(神奈川) 松岡泰樹
1 はじめに
2022年4月1日、成年年齢が20歳から18歳となった(民法第4条)。同日に満18歳、満19歳の若者が成年となり、同月2日以降満18歳を迎える若者が順次成年となっていくことになる。成年年齢が20歳から18歳に引き下げられた理由は、若者の積極的な社会参加への期待や自己決定権の尊重等若者の大人としての自覚を高めるため、選挙権の年齢に合わせるためなどとされている。
成年年齢が18歳となったことにより、満18歳になった者は、親の同意なくして契約をすることができるようになった。これを借金の観点から考えると、満18歳になった者は、お金を借りる契約である消費貸借契約(民法第587条)などを締結することができるようになったこと、未成年者であることを理由としてその契約を取り消す(未成年者取消し)ことができなくなったことを意味する(民法第5条第1項本文、同条第2項)。
2 若者の借金問題と業界の対応
(1)若者の借金問題
成年年齢の引下げ以前から、大学生など若者が売買契約をする際にその代金の支払いとして、サラ金やクレジットカードで借金をして支払いを強要させるような商法が問題と・・・
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