若者の消費者トラブルと最近のマルチ取引の被害事例について

独立行政法人国民生活センター相談情報部相談第1課 神辺寛之

1 PIO-NET1にみる若者の消費者トラブルに関する談の概要2

 全国の消費生活センター等に寄せられる若者の消費者トラブルに関する相談をみると、契約当事者の年齢が「20~24歳」の相談件数(平均値)は、「18歳・19歳」(平均値)の概ね1.6倍となっており〔図1〕、販売購入形態別にみると、マルチ取引3に関する「20~24歳」の相談件数(平均値)は、「18歳・19歳」(平均値)に比べて、約12倍となっている〔図2〕。ここには、従来からある化粧品や健康食品に関するマルチ取引に関する相談も含まれているが、近年は内職や副業、情報商材等のもうけ話に関するマルチ取引に関する相談(モノなしマルチ)が多くみられる傾向がある。

図1 PIO-NETにみる「18・19歳」「20〜24歳」の年度別相談件数(平均値)

図2 販売購入形態別相談件数

2 若者のマルチ取引に関する相談事例

〈事例1〉FXの情報商材と自動売買ツールのトラブル

 高校時代の友人から電話でFXの情報商材を勧められた。その後、友人の先輩や販売会社の人から、WEB会議用アプリで「将来お金が必要に・・・

この記事は会員に限定されています。ログインしてください。
会員になるには「会員に申し込む」をクリックしてください。