日本消費者協会の取組み

一般財団法人日本消費者協会理事長 東京経済大学現代法学部教授 弁護士 村 千鶴子

 2021年6月に一般財団法人日本消費者協会の理事長に就任し、2022年6月で一年を迎える。そこで、日本消費者協会の取組みについてご紹介する。

 日本消費者協会は、1961(昭和36)年9月に、通産省(当時)所管の公益法人として消費者教育、消費者啓発活動を主な目的として設立された。設立の翌年(1962年9月)、下記の消費者宣言を行い、現在に至るまで宣言に基づいて公益活動を行ってきた。

 「消費者宣言 主権者であるべきわれわれ消費者は、生産者や労働者の団結にくらべれば、いまなおはなはだしく微力であり、したがって未組織であり、時には消費生活が不健全化し、その声はともすれば社会の底辺にかき消されがちである。日本消費者協会はこの弱い消費者の声を代弁し、同時に消費者が主権者としての資格と権威とを獲得するために全力をつくるものである。われわれは、ここに新しい力を呼びおこし、今後の運動の方向を次のように定め、消費者運動に邁進することを宣言する。

1.われわれは正しい商品選択のための情報を消費者に提供するとともに、商品に対する苦情の処・・・

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