第11回東アジア金融被害者交流集会(2021台日韓貧困と債務国際シンポジウム)報告

司法書士(大阪) 来山尚子

1 はじめに

 今、世界で「イカゲーム」というNetflixの韓国ドラマが話題になっているのをご存じでしょうか? 借金など様々な事情で生活に困窮した人が、賞金をかけて死のサバイバルゲームに挑むというドラマです。貧富の差が激しく、自殺率も高く、まだまだ多重債務者に厳しい韓国ならではのドラマかもしれません。

 さて、昨年12月4日、台湾の主催により、日台韓による第11回東アジア金融被害者交流集会が完全オンラインで開催され、この「イカゲーム」も話題に上りました。今年のテーマは、1.コロナの影響による各国の対策と債務の現状、2.特定層の貧困問題、3.被害者の会の現状と経験交流の三つでした。

2 テーマ1:コロナの影響による各国の対策と債務の現状

 まず、台湾の現状について、台湾法律扶助基金会の李艾倫弁護士より、台湾は当初コロナ対策の優等生とされたが、2021年5月から感染者が急増、ロックダウンはなかったものの感染対策のためレストランや工事現場、公共施設が閉鎖されて、失業率が上昇、無給休暇者が増加した。政府のコロナ対策により、個人補助金や特別貸付け、債務者の支払猶予措置がとられたが、・・・

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