弁護士（大阪） 松丸 正
1 近畿財務局の赤木俊夫さんの自殺
国有地の森友学園への売却に関する財務省・近畿財務局による公文書改ざん行為は、平成29年2月17日の衆議院予算委員会における、当時の安倍内閣総理大臣の「私や妻が関係していたということになれば総理大臣も国会議員もやめるということをはっきり申し上げておきたい」との答弁に端を発している。
この答弁を受けて当時の佐川理財局長は、「野党に資料を示した際、森友学園を厚遇したと取られる疑いがある資料はすべて修正するように」と改ざんの指示を行い、国会議員等や安倍昭恵氏に関する記載の削除、改ざんがなされた。
財務省からの改ざんの指示に、近畿財務局の職員であった故赤木俊夫さんは抵抗しながらも関与したこと、並びに改ざんに関連して生じた長時間勤務による強い心理的負荷の下で、平成30年3月7日自殺に至った。
2 妻雅子さんの「真実を知りたい」との思いでの提訴
妻である雅子さんは、夫である俊夫さんが自殺に至った「真実が知りたい」との思いで、令和2年3月大阪地裁に国と当時の財務省理財局長であった佐川宣寿氏を被告にして、1億1千万円余りの損害賠償請求の訴訟（以下、本件訴・・・
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