生活保護基準引下げ裁判で「誤字までコピペ判決」

弁護士(大阪) 小久保哲郎

「判決文『コピペ』か」「誤字も同じ 文章酷似」

 2021年12月16日、信濃毎日新聞が朝刊の一面トップでスクープ記事を報じた。

 2013年からの史上最大の生活保護基準の引下げに対しては、全国29地裁で1000人を超える原告が30件の集団訴訟(いのちのとりで裁判)を提起している。これまでに名古屋(2020年6月)、大阪(2021年2月)、札幌(3月)、福岡(5月)、京都(9月)、金沢(11月)、神戸(12月)の7地裁で判決が言い渡されたが、大阪地裁が原告勝訴判決を言い渡した以外は、すべて原告側が敗訴している。信濃毎日新聞は、裁判官がその判決理由を書くにあたって前の判決文を「コピペ」しているのではないか、という疑惑を報じたのである。

 「誤字も同じ 文章酷似」と副題にあるとおり、福岡地裁に続く京都地裁と金沢地裁の判決文の文章が、次のとおり、酷似しているだけでなく、誤字まで同じだったのだ1

〔福岡地裁判決〕(101ページ)
 テレビやパソコン等は、生活扶助により購入することがあり得る品目であって、生活扶助により支出することが想定されない非生活扶助相当品目(医療費、NHK受診料

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