景品表示法の運用実態と政策評価から見えてきた課題
─食品事業者による触法行為の自主申告状況の調査回答分析から判明したこと─

食の安全・市民ホットライン事務局長 西原崇文

 2013年、社会問題化したいわゆる食材のメニュー表示偽装問題以降、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)の改正が実施された。2021年10月19日、一部報道で、東京都及び神奈川県内に展開する飲食店が、食材誤表示に関するお詫びを発表したと報じられた1。また、当該食品事業者が発表したお詫び文には、「消費者庁への申告も致しました。」との記載がされていた。筆者が、運営委員をしている食の安全・市民ホットライン2のコア団体である食の安全・監視市民委員会3は、消費者権利の確立の観点から、食の安全問題を調査・研究活動をしている。本稿では、コア団体・食の安全・監視市民委員会が、調査活動をした、食品事業者によるいわゆる触法行為等の相談件数の実態の報告、およびその調査活動の過程で判明した、消費者庁による景品表示法の取締り実態、および見えてきた課題について論じる。

消費者庁への質問内容

 2021年11月19日、食の安全・監視市民委員会が、消費者庁へ出した質問内容は、以下のとおりである4

1.消費者庁に対する、食品表示に違反したことなど、食品事業者からのいわゆる触法行・・・

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