機能性表示食品サントリーウエルネスの「ロコモア」の偽装効能表示食品表示法違反の申出と情報開示請求

食の安全・監視市民委員会運営委員 植田武智

消費者庁のルールに違反している臨床試験

 機能性表示食品という制度があります。企業が科学的根拠を届出ることで機能性を表示できるというものです。その中のヒット商品の一つが、サントリーウエルネス株式会社の「ロコモア」です。「ひざ関節と脚の筋肉に働きかけ、加齢により衰えるひざ関節機能を維持すること、歩行機能の一部である日常生活における歩く速さを維持する」と表示して販売されています。

 しかし、その表示の根拠とされる臨床試験の論文で採用されている方法は、2017年3月に出された消費者庁の「機能性表示食品制度での臨床試験の実態把握の検証・調査事業報告書」の中で「科学的誤りである」と指摘されています。

 具体的に何が誤りかというと、届出された臨床試験の論文では、まず「ひざ関節機能」への効果について、ひざ関節に痛みを感じる100人の被験者全員を50人ずつの2グループに分けて、サプリグループにはサプリを、プラセボグループにはプラセボ(偽薬)を16週間飲んでもらい効果を比較しています。その結果では、両方のグループで、効果の差はありませんでした。

 そこで論文では、100人の中で・・・

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