「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン(案)」について

弁護士(東京) 船江莉佳

1 はじめに

 令和3年3月に消費者庁において「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン検討会」が設置され、「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン(案)」に関する意見募集が昨年12月22日から本年1月21日まで行われた。

 意見募集の結果を踏まえて、本年3月末にガイドラインが作成・公表される予定である。

 本稿では、意見募集で提示された「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン(案)」(以下、「ガイドライン(案)」という)について検討する。

2 食品添加物不使用表示の意義と規制の在り方について

(1)食品表示は、消費者が食品を選択するにあたって重要な情報源であり、不使用表示は、日々の買い物において短時間で商品の情報を得て商品選択をするための情報として重要な役割をしており、詳細な商品情報が記載されている一括表示とは異なる役割がある。

 また、消費者の価値観は様々で、多様な生活スタイルや嗜好があり、食品添加物が安全であってもできるだけ摂取したくないという消費者の志向も尊重されなければならない。

 したがって、食品添加物の不使用表示は認められるべきである。

 もっとも、消費者を誤認させ・・・

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